かさぶたはできると嫌ですが、
実はキズを治すのに活躍してますよね。
キズ跡が残るかどうかは、
かさぶたにかかっているといってもいいくらい重要です。
そんな重大な役割のかさぶただが、
見てくれはきたない、
なおる時期がわからない、その上かゆくなる。
といったマイナス面も。
転んでできたかさぶた、
虫刺されや乾燥肌をひっかいてできたかさぶた。
今回は「かさぶた」の止血方法と、
できた場合の簡単な対処方法を解説していきます。
かさぶたができる仕組みとは?つまり、かさぶたって何?
転んですり傷ができたとき、
虫刺されや乾燥肌をひっかいて血が出たとき、
血が止まった後にできるのがかさぶた。
いったいどういう仕組みで止血までいくの?
解説します。
一次止血:血小板止血
血がでるときの刺激物質により、
止血作用のある血小板の形が細胞にくっつきやすくするため、
金平糖のように角が出た形に変化(活性化)する。
この活性化した血小板が、
血管の壁に集まり接着・凝固する。
二次止血:複雑な経路をたどるが、要は血液中に圧止血作用のある物質で、網の目状の止血栓を作って血を止める。
その仕組みは、
血液の中にある12種類もの要素を使うという難しさです。
↓
血小板因子がでる
↓
血漿(けっしょう)の中の成分が変化
更にその酵素作用で、
フィブリノーゲンがフィブリンに変化して
カルシウムイオンなどとくっつき、
強固な網状の血餅を作って血を止めます。
修復作用
止血で作られた血栓の除去と血管壁の修復
血液の流れが元通りにもどると、
止血の仕組みは完了です。
傷が乾燥してできる「かさぶた」は、
キズにくっついた止血栓で血球成分の塊です。
というわけでややこしいですが、
簡単に言うと、かさぶたは単に乾いて固まった血ではなく、大切な血を止めるためにできたおまけ
というわけです。
因みに、かさぶたが赤黒く見えるのは、
赤血球が乾燥したのが見えているだけです。
気にすることはないです。
かさぶたの役割。乾燥は敵?
じゃあ、止血の仕組みのおまけとしてできたかさぶたは、
一体どんな役割を果たしているんだろうか。
皮膚の細胞は乾燥すると死んでしまう。
だから、かさぶたは細胞が死なないようにキズが乾燥するのを防いで、
ついでに雑菌が入るのをカバーします。
そしてかさぶたの中では、
白血球の働きで殺菌して死んだ細胞も掃除して、
皮膚は、細胞をどんどん増やして自然治癒させている感じです。
普通の傷は1週間から10日ぐらいで皮膚が再生するけれど、
傷が治りかけている途中で、かさぶたをとってしまうと、
キズが乾燥してキズを治す仕組みが十分に働かず、
キズの直りが遅れることになります。
かゆみの原因はヒスタミンアレルギーと一緒
残念なことにキズを治すときに、
キズの周りにヒスタミンという物質が増えて、
これが神経に作用してかゆくなる。
要するにかゆみは、
傷が治るときのおまけで出る症状ということになる。
ヒスタミンという言葉は、
アレルギー関係でよく耳にします。
ヒスタミンは体の中で、
アミノ酸であるヒスチジンから作られ、
音や光などの外からの刺激と空腹、
体温上昇などの中からの刺激で現れる
アレルギー反応に関係する物質です。
かゆみは痛みと一緒?
それじゃあ、かゆみっていったい何でしょうか。
かゆみは、体に異常が起きていることを知らせて
取り除かせようとするある種の体を守るための反応。
「かゆみは痛みの軽いもの」と言われた事がありましたが、
痛みには反応しない脳の部分で、反応が起きている。
ということが2009年の時点でわかっています。
残念ですが、かゆみの仕組みはまだ分からない部分が多いけれど、
痛みの反応を起こす物質がかゆみの反応も起こすものもあり、
痛みと関係しているらしい。
これから解明されることを祈るしかない。ということです。無念。
かゆみの対策は、保湿と抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)
かさぶたのかゆみは、
キズを治すときにおまけとして出てくるアレルギーと一緒のヒスタミンが原因。
ということはわかりましたので、
かゆみ対策は、抗ヒスタミン薬、かゆみ止めを塗ればOK。
となります。
その他は、肌が乾燥すると
バリア機能が落ちてかゆみが出るので、
保湿してバリア機能UPもよいですね。
かさぶたのかゆみは、
かゆみ止めと保湿で乗り切るのが一番です。
おそらく、知らずのうちに、ほとんどの人が対策しています。
まあ、かさぶたを作らずに治す。
という傷口を乾燥させずにカバーして、
直す方法をとるのもよいかもしれないですね。