体験者が語るエンディングノートの作り方

皆さんは、終活という言葉を本や新聞などで目にしたり、友人・知人との会話のなかで耳にすることが多いですよね。終活の一つにエンディングノートを作るということがあります。言葉は知っているが、何のために書くのかとか、どんなことを書けばよいのかわからない方がいらっしゃると思います。そんな方のためにエンディングノートの作り方を紹介しますね。エンディングノートを作ることによるメリットもありますよ。それについても紹介しますね。私は、両親と妻を亡くしたことからエンディングノートを作りました。その体験を交えての紹介になります。

エンディングノートをなぜ作るの?

ここでは、エンディングノートを作る意味やメリットを紹介しますね。

エンディングノートを作る意味とは?

終活とは?

先ずは、エンディングノートを作るという行為の基となる終活について説明しますね。終活とは、「人生の終わりに向けて行う行動(活動)」を略した言葉ですが、残された家族や周りの人達に迷惑がかからないように人生の最後を迎えるにあたって準備をするという意味です。言い換えますと、残された家族などの負担を軽くするための準備になります。その背景には、少子高齢化という社会現象があるのですよ。

なぜ、終活としてエンディングノートを作るのでしょうか?

エンディングノートを作るということは終活の一つです。エンディングノートには、自分が亡くなった後に残された家族などの負担を軽くするために必要なことを書き留めておくとともに、自分の意思を示しておきます。そのことで、残された家族などの負担を軽くすることができるのですね。

私がエンディングノートを作った理由

私がエンディングノートを作るきっかけとなったのは、両親と妻の死でした。3人ともエンディングノートは作っていませんでした。葬儀から始まりその後の後始末まで、物を探すのに家をひっくり返したり、日記を読んでみたり、記憶を辿ってみたりと大変でした。この苦労を私の残された家族にはさせまいという思いがきっかけでした。

エンディングノートを作るメリットは?

エンディングノートを作るメリットとしては、自分が亡くなった後に残された家族などの負担を軽くするだけでなく、認知症やその他の病気で意識不明・重篤な状態におちいり意思を伝えられなくなった場合にエンディングノートを作っておくと家族は助かりますよね。

私の体験からのメリット

私の亡くなった3人の家族がエンディングノートを作っておいてくれたらな、と思うことが三つほどあります。
・負担の軽減は勿論のことです。
・負担の軽減にもつながりますが、私は、両親とは電車で4時間ほどの所に住んでいましたからなかなか会う機会も少なく、会っても十分に話す時間もなく、話しても時間を経ると内容を忘れてしまうことがありました。そんなときエンディングノートがあったら助かったなと思っていま。現在の世の中は、核家族化が進んでいます。同じような思いでいらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
・両親とも亡くなる数年前から認知症を患っていましたから、意思の疎通が図れなかったことです。そんなときエンディングノートがあると助かったなと思っています。

私は、齢を重ねるたびに記憶が薄らんでいく感じがしています。そのようなわけで事あるたびにエンディングノートを開いています。備忘録としても活用できますよ。

エンディングノートには何を書いたらいいの?

エンディングノートには決まった書式はありませんから書く内容も自由です。家族などに伝えてこきたいことを書き留めておけばよいのです。そう言われても困りますよね。私も初めてでしたから悩みました。そこで、インターネットで調べ、必要な項目を取捨選択しました。ここでは、エンディングノートに書かれることが多い項目とその書き方について、私の体験を交えて紹介しますね。

エンディングノートにはどんな項目を書けばいいのか?

① 自分のこと
  姓名、生年月日、住所、本籍地、血液型、趣味など
② 身の回りのこと
  携帯電話、パソコン、運転免許書、パスポートなど
③ 友人・知人のこと
  氏名、住所、電話番号など
④ 医療・介護のこと
  かかりつけの病院、病名の告知、延命措置、介護の方法など
⑤ 資産のこと
  預貯金、年金、有価証券、不動産、生命保険、借金など
⑥ 葬儀・お墓のこと
  葬儀の内容、埋葬場所など
⑦ 遺言のこと

家族に伝えておきたいことは、人によって千差万別です。紹介した項目から選んでもらっても結構ですし、加えてもいいですよ。

エンディングノートは市販されていますよ

エンディングノートは本屋さんで書籍として販売されていますから、購入することができますよ。葬儀屋さんによっては無料でプレゼントしてくれるところもありますし、自治体によっては配布しているところもあるそうですから問い合わせてみるといいですね。
市販のエンディングノートなどを利用すると便利ですよね。利用する場合には、全ての項目を書くのではなく、家族に伝えたい項目を選び書くことになります。中には、不足している項目があるかもしれません。その場合には付け加える必要がありますよ。

私のエンディングノート

私は、少し手間がかかりますがファイル形式の自作のエンディングノートを作っています。後で思い出して項目を追加したり、内容を細かく書いておいた方がよい場合や修正が出てきた場合に便利だからです。市販のエンディングノートではどうしても空白が出てしまい、それが嫌なこともあります。

是非書いておきたい項目

是非書いておきたい項目があります。それは、家族への想いと感謝の言葉です。私にとっては、家族に面と向かっては言いづらいことです。そんなとき、文書にすると素直に表現できるのです。

エンディングノートの書き方はどのようにしたらよいの?

エンディングノートに書く項目ごとの書き方について、私の経験を交えて紹介しますね。

② 身の回りのこと
携帯電話やパソコンを利用しているのであれば、契約会社名と連絡先やID・パスワード。利用料金などをクレジットカードで支払っている場合には、会社名と連絡先。身の回りの物の保管場所など。
③ 友人・知人のこと
氏名・住所・電話番号・関係、葬儀に参列してもらうかどうかなど。
④ 医療・介護のこと
・かかりつけの病院があれば、病院名と住所・電話番号
・アレルギーの有無、持病があれば病名、常用薬、「おくすり手帳」の保管場所
・健康保険証書・介護保険被保険者証の保管場所
・病名の告知・延命の措置
 希望を書くにしても事前に家族と相談された方がよいでしょう
・介護の方法
 介護の方法には、在宅介護と施設での介護がありますが、希望の方法。これについても事前に家族と相談されておいた方がよいでしょう
⑤ 資産のこと
・預貯金の場合
 金融機関名、種類、口座番号、キャッシュカードの暗証番号、連絡先、通帳・印鑑などの保管場所
・生命保険などの場合
 保険会社名、種類、証券番号、契約者名、受取人、連絡先、証書などの保管場所
・資産の多い方は、別に「財産目録」等を作成しておき、エンディングノートには「財産目録」の通りと書いておくと良いでしょう。
⑥ 葬儀・お墓のこと
・葬儀の形
 葬儀の形には、一般葬や家族葬などがあります。希望の形を書いておきます。
・埋葬方法
 埋葬方法には、従来の地上のお墓に埋葬する他、納骨堂・樹林葬・散骨などがあります。希望の埋葬方法を書いておきます。
・墓地などの管理者の連絡先
 連絡先名、住所、電話番号など
⑦ 遺言のこと
エンディングノートには相続財産の分割の仕方などを指定する法的根拠がありませんので、遺言書を作成してある場合には、その旨を書いておくと良いでしょう。

先程の各項目と同じように、家族に伝えておきたい内容を具体的に書きます。エンディングノートに書く量はかなり多くなります。私の経験からすると、書きやすい項目から始めることを勧めます。

エンディングノートの書き方の事例がありますよ

インターネットで、「エンディングノートの書き方」を検索すると事例が見つかりますよ。それも参考になるかもしれませんね。

おわりに

エンディングノートを作る意味、書き方などについて、私の体験を交えて紹介してきました。忘れないでほしいのは、書くときには家族への感謝の気持ちを持つことです。後で家族が見たときにそれが伝わるはずです。家族からも感謝の気持ちが湧いてくるでしょう。宝物になるはずです。
エンディングノートには、プライベートのことが書かれています。本人と家族以外の人の目にふれない場所に置いておきましょう。証券などの関係書類は、一か所にまとめて保管しておいた方が後々便利ですよ。保管場所は、エンディングノートに書いておきましょう。
最後にお願いがあります。エンディングノートは時々目を通して下さい。書き忘れたことが思い出されるかもしれません。是非、エンディングノートを活用しましょう。