もし自分、家族が心臓の手術を受けることになったら、「手術は大丈夫なのか?」「命に問題ないのか?」とても不安で心配になりますよね。
この記事では、心臓のカテーテル手術を受ける際の不安を減らすための方法と家族ができることがわかります。
突然死・心筋梗塞は身近な病気
年間の心疾患の患者数は170万人を超えるといわれ、急性心筋梗塞で亡くなる日本人は年間3万人を超えます。年齢とともに心筋梗塞が起こるリスクは高くなりますが、高齢化が進む社会では、これからますます患者が増えていくことになっていくでしょう。心筋梗塞は、他人事ではなく誰でもかかる可能性のある病気です。
急性心筋梗塞を発症すると、10人に1人以上の確率で病院に救急搬送される前に亡くなってしまうことがあります。とても怖い病気ですが、突然死にならないように防ぐこともできます。心臓のカテーテル手術・ステント治療を受けることで急性の心筋梗塞になることを防ぐことができます。今回は心臓のカテーテル手術・ステント治療についてと手術を受ける前に患者と家族がしておくとよいことを紹介します。
歩くと胸が苦しい?突然死のサイン
私の父は、還暦を過ぎたある日のこと、「歩いているときに胸が苦しい」と言うことがありました。父はちょっとした風邪でも大げさに言う人なので、家族は気にはしておらず「たいした事ないでしょう。気のせいだよ。」と父に言っていました。
最初は家族も父自身もあまり気にしていなかったのですが、胸が苦しくなる症状の回数がだんだん増えてきました。そうなると「これはおかしいのかもしれない」と父も家族も考えるようになりました。
精密検査を受けることに
ちょうどそのとき、健康診断があり、胸が苦しいという症状を相談したところ、精密な検査を受けました。CTスキャンの結果、心臓につながる冠動脈と呼ばれる血管が動脈硬化を起こし、さらに血管内も詰まってきていることが判明しました。
動脈硬化とは、血管のしなやかさが欠け、血管が狭くなったり詰まったりしてしまっている状態です。動脈硬化が起きていると心臓に負担がかかり狭心症を起こすことがあります。さらに血管が詰まり閉塞すると心筋梗塞が起こります。
胸が苦しいのは狭心症の症状で、もしこのままの状態を放置しておくと心筋梗塞で突然死んでもおかしくないような状態であると医師から説明されました。医師の説明を聞き、父も私たち家族も驚きました。
カテーテル手術・ステント治療を受ける
動揺しましたが、このままでは危険なので手術を受けることにしました。その手術は、冠動脈の詰まりをなくし血管を拡げるものです。手術といっても、胸を切開するわけではなくてカテーテルを血管の中に通すだけ。動脈硬化になっている血管部分までカテーテルを通して、そこでバルーンをふくらませて欠陥の幅を広げます。ただバルーンでふくらませるだけでは、血管が元に戻ってしまう可能性があったので、ステント治療もしました。ステントとは金属の網状の缶です。バルーンを膨らませ拡げた血管の中にステントを置くことで、血管が閉じて狭くなるのを防ぎます。
心臓カテーテル手術の後は
父はカテーテル手術を受けました。手術によっては傷口が痛み術後がつらいという話も聞きますが、カテーテル手術ではカテーテルを通すための傷が少しできたぐらいで傷口もあまり痛くないと父は話していました。また、身体への負担が軽いので術後数日間で退院もできてよかったです。
術後は通常の生活は問題なくできて、退院後1カ月後ぐらいには運動ができるようになりました。父によると、前より歩くのが楽で、身体が軽くなって趣味のゴルフも楽しくなったそうです。
手術の疑問・不安を解消するために
治療法について知る
心臓手術を受けるにあたって、父も家族も不安がありました。
手術前に医師から、手術が万が一失敗してしまったときのことを念のために説明されたからです。
手術前に、私たち家族は医師に疑問点はよく話しました。また、本を読み治療方法について理解することで疑問や不安を解消しました。「狭心症・心筋梗塞の最新治療と発作を防ぐ安心読本」という本では、図解入りで解説されているので読みやすかったです。
心疾患の予防法を学ぶ
また、本を読むことで、手術を受けて成功したら健康になるわけではないことも知りました。生活習慣によって動脈硬化は進行し、狭心症をまねきます。手術で最悪の危機は免れても、手術後の生活次第ではまた狭心症・心筋梗塞になる可能性もあります。
父に「狭心症・心筋梗塞 発作を防いで命を守る」という本で発作を防ぐ生活の仕方を学んでもらいました。動脈硬化を防ぐためには食生活の改善も必要なので、普段の食事を作る母は料理本で動脈硬化を防ぐ食事について勉強していました。
不安なときは病院選び
もし手術に不安がある場合は、医師とよく話し合うとよいですね。それでも不安な場合は他の病院でセカンドオピニオンをきくことも検討するとよいでしょう。
医師・病院選びに悩んだら病院や医師のランキング本を参考にするのもよいですね。PRESIDENT MOOKの頼れる病院ランキング(2018)という本は、患者数の多いがん、心臓病、脳疾患について、国の公開データを基に、実力のある病院をリストアップしたもの。地域別に紹介されているのもよいですね。手術の取り扱い件数などを比較検討するのもよいですね。
週間朝日ムックの「手術数でわかるいい病院 2018」では、31の治療法別におすすめの病院を紹介しています。特に、特集がおすすめ。「病院を変えたい時どうするか?」「「セカンドオピニオンはどんなときに聞くべきか?」といった病院選びの悩みについても解説されています。
再発しないために
手術後、今のところ父は問題なく過ごせています。けれど、狭心症・心筋梗塞になる可能性はゼロになったわけではありません。動脈硬化が悪化すれば、狭心症・心筋梗塞になることもあります。そうならないために父は食生活に注意し適度な運動をするように心がけています。
長年染みついた生活習慣を変えるのはとても大変なことで、本人の努力だけでは難しいようです。患者本人だけでなく家族や周囲が注意し見守っていくことも生活習慣改善のためには大切なことだと思います。
楽天URL
狭心症・心筋梗塞の最新治療と発作を防ぐ安心読本 名医の図解
https://books.rakuten.co.jp/rb/5713603/
狭心症・心筋梗塞 発作を防いで命を守る
https://books.rakuten.co.jp/rb/15062112/
手術数でわかるいい病院(2018) 全国&地方別ランキング独自調査6655病院 (週刊朝日MOOK)
https://books.rakuten.co.jp/rb/15318620/
頼れる病院ランキング(2018) 最新治療データで3500病院を全国&地域別に判定! (PRESIDENT MOOK)
https://books.rakuten.co.jp/rb/15520802/